ある人が、小学校の時皮膚の移植手術をした。その時の執刀医二人が和やかにしゃべっていたという。この態度に傷ついて忘れられない、と話していた。
私は、ある日の別の外科医の話を思い出した。そのお医者さんは演歌が好きで、手術の時は好きな演歌歌手のCDをかけているという。それは、リラックスするためだ。大事な手術だからこそ、間違いはできない。だからリラックスが必要。その執刀医にとってリラックスできるのは、演歌のCDだった。
もしかして、おしゃべりをしながら手術をした執刀医もリラックスをするための行動だったかもしれない。手術を成功させるために。そう思うと、おしゃべり執刀医に対して怒りの気持ちは湧いてこない。
不思議なものだ。
