私は、スペイン語を話せるという事で、小・中学校で、外国人に日本語を教えている。フィリピン出身の中学生に日本語の指導をしていた時のことである。授業の終わり5分前となり、彼女の普段使っている「ビサヤ語」についてきいてみた。
ビサヤ語で、『私は 本を 読みます』て何ていうの?と聞くと、
フィリピン人の生徒は『nagbasa kog libro.』と答えた。私は一瞬耳を疑った。なぜなら、「libro」はスペイン語だからだ。私が「libroはスペイン語と同じだよ。それじゃあ、鉛筆のことは何て言うの?」と尋ねると、『lapis』。スペイン語で鉛筆は「lapiz」である。
そういえば、フィリピンはスペインの植民地であったことがある。1565年から300年間にもわたり、スペインの植民地であった。
そのあと、アメリカの植民地となるわけだ。
このことは、フィリピン人が英語を話す環境にある、古くはスペイン語を話す環境にあった。ということを意味する。
植民地化されるという事は、悲しい過去かもしれない。でも、今、長い年月が経ったのにもかかわらず、その影響を感じることができる。言葉が人々の交流に役立ったいることを思えば、これらの事実は、私を生徒の関係をよりと近いものにした。興味深いものだ・・・。