わたしは、外国人で日本に来ている児童生徒に日本語を教えている。公立小・中学校に出向き、対象となる子どもの日本後能力に合わせて、カリキュラムを組み教えている。小学校1年生から、日本の教育を受けていると、かなり早く日本語を習得する。しかし、小学校2年以上だと、本人の努力がかなり求められる。ひらがな、カタカナを日本人の児童と一緒に学ぶ段階だと、まだいいのだが、いきなり漢字習得を求められる学年となると、厳しいものがある。
私の受け持つ外国人生徒の中に、やや不登校気味の中学生がいる。割と私の授業を楽しみにしてくれているようであり、同時にありがたいことだと思っている。先日の授業で、事業終わりのあいさつで「これで、授業をおわりにします。ありがとうございました。」というのがある。挨拶をしてから、わたしが、「ビサヤ語で“ありがとう”はなんだっけ?」ときくと、『Terima kasih』と教えてくれた。
学校にあまり来なくても、自分の国以外の言語に興味を持っていることがわかり、うれしい瞬間だった。彼女は、小学校1年生のときから、日本にいるわけではないので、日本語習得は難しいだろう。家にいることが多い彼女だけれど、自分の興味あることを見つけ、そのことに対しては貪欲に学んでいるのであれば、うれしいことだと思える瞬間だった。